真宗大谷派のお勤め(勤行)とは、寺院の本堂や家庭で本尊である阿弥陀仏に対し、お念仏を称え、聞くことです。
称えること以上に聞くことを大事にしますので、称えることができなくても何も問題ありません。
基本的に、朝と夕方にお勤めします。

1、お仏壇の前で、勤行本を用意し、念珠を身につけます。
2、灯明をあげ、お焼香をして、朝には仏飯をお供えします。(これを「御荘厳」といい、「飾る」ことを意味します。)
3、合掌し、お勤めします。
4、おわりに再度、合掌します。

真宗大谷派の本山である真宗本廟(東本願寺)では、毎日お朝事〈晨朝法要〉(7時)とお夕事〈夕事勤行〉(16時)がお勤めされています。
もし京都にお出かけの機会があれば、参詣自由ですのでお気軽にお勤めしてみてください。

勤行本

真宗大谷派の勤行本はいくつか種類がありますが、基本的なものとして「赤本」があります。


正信偈(草四句目下)、念仏和讃・回向(三淘)、御文、同朋奉讃式第一・第二、讃歌などが収録されています。
唯稱寺の法要では、赤本の記載通りに、正信偈から念仏和讃・回向とお勤めいたします。

また、以下の東本願寺出版のページも参考にしてみてください。
https://higashihonganji-shuppan.jp/booklist/c02/

正信偈

親鸞聖人は、本願念仏の教えが釈尊の時代から七高僧を経て伝えられてきたことを深い感銘をもって受けとめられました。「正信偈」は、親鸞聖人がその感銘を味わい深い詩(偈文)にしたものであり、インドから中国そして日本へと伝わってきた釈尊の教えを後世の私たちに伝えているものです。

「正信偈」の意味内容については、以下のページを参照ください。

「正信偈」に示されていること

念仏和讃

浄土真宗における念仏とは、「南無阿弥陀仏」と称えることです。和讃とは、親鸞聖人がつくられた和語をもって讃嘆する詩であり、全部で500種類以上にも及びます。
お勤めするときは、念仏、和讃、念仏、和讃と繰り返され、三首目もしくは六首目の和讃で終わります。また、真宗大谷派の念仏では、音調も変化し、初重、二重、三重と段階的に音程が上がっていきます。お勤めによって音調は変わりますが、基本的に報恩講のお勤めが最も高く声を張るものになります。

回向(廻向)

「回向」は、「振り向ける」や「廻らし向ける」という意味で使われ、大乗仏教では、すべての功徳を一切の衆生に振り向けて、共に成仏したいと願う心を<回向発願心>といいます。
特に浄土真宗では、すべての回向というものは、私たちの思い上がりによって積まれた功徳ではなく、阿弥陀仏の願い「他力に由る」(由他力)によると考えます。「他力」とは、私たちが期待するとか、期待しないにかかわりなく、私たちに差し向けられている阿弥陀仏の願いによることです。